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梨はシャリシャリという独特の食感と瑞々しさで人気のフルーツ。近所の八百屋でよく見かけるのは「幸水」か「豊水」でそれ以外の品種はあまり詳しく知らなかったのですが、調べてみると現在では約20品種が流通していて、江戸時代にはなんと約150品種の梨があったそう。新しい品種が次々に登場している梨には、時代によってトレンドがあるようです。今回は代表的な品種から人気の品種、珍しい品種まで梨の種類と各品種の特徴について紹介します。
知らずに食べている梨の種類
梨には「和梨・洋梨・中国梨」の3種類がある

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一般的に私たちが「梨」と呼んでいるのは「和梨」のことで、お菓子やお酒に使われることの多いラ・フランスは「洋梨」の品種。そしてあまり知られていませんが「中国梨」という種類があります。中国梨は日本ではあまり馴染みがないですが、「鴨梨(ヤーリー)」という品種は、唯一岡山県でのみ特産品として生産されています。現在では、その岡山県での生産量も減ってきているそうで、鴨梨(ヤーリー)は今や「幻の梨」とも呼ばれているのだとか。
和梨には「赤梨」と「青梨」がある

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和梨も大きく分けると赤梨・青梨の2種類に分かれます。この2つの違いは梨の皮の色です。皮の色が黄褐色のものが「赤梨」、淡黄緑色なのが「青梨」と品種によって皮の色が異なります。赤梨の代表品種は「幸水」「豊水」などに対し、青梨の代表品種は「二十世紀」「サンセーキ」と、品種で例えるとわかりやすいのではないでしょうか。
一昔前は和梨と言えば「青梨」で、少し酸味のあるさっぱりとした味が主流でしたが、現代では赤梨の方が一般的な種類として定着しているようです。より甘く、より瑞々しくジューシーに改良された赤梨の味に慣れていると、青梨はすっぱく感じるかもしれませんが、甘みが上品で控えめな分、和梨特有のシャリシャリとした食感が楽しめますよ。
梨の産地や旬の時期をチェック
産地・生産量が多いのは?

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梨の生産量が一番多いのは千葉県。次いで茨城県、福島県と続きますが、生産量に違いはあっても沖縄県以外では全国的に栽培されているようです。その中でも千葉県は土壌条件、気象条件ともに梨栽培の適地で、特に味の良い梨ができるとのこと。また、鳥取県のイメージが強い青梨の品種「二十世紀」は、実は千葉県松戸市で発祥した品種!千葉県船橋市非公認ゆるキャラのふなっしーも梨の妖精(という設定)と、生産量以外にも梨との関わりを大切にしている県であると言えるでしょう。
旬の時期はいつ?

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梨は品種によって収穫に適した時期が異なります。しかも品種が多いので、夏から冬まで長く楽しめる果物なのです。梨はよく「秋の味覚」と言われますが、夏後半から9月にかけてが梨の収穫最盛期で、そのピークを過ぎる頃に10月を迎えるため、秋の果物という印象が強いのかもしれません。11月以降が食べ頃となる品種もあるので、いろいろな品種を半年以上も楽しめる旬が長い果物です。
梨栽培では、害虫や害鳥などから果実を守るために袋をかけて保護する「袋かけ」の作業を行う果樹園も多くあります。袋かけは必ず行わなければいけない作業ではないため、無袋栽培で育てている果樹園もあります。千葉県では「幸水」「豊水」は無袋栽培、「二十世紀」や「新高」の一部には袋かけをして育てています。日光を浴びた梨は糖度が高くなり、袋をかけた梨は皮のキメが細かくつややかな仕上がりに!
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