錫(すず)って、どんな素材?
鋼板を錫でメッキしたものが「ブリキ」で、亜鉛とともに鋼板を覆ったものが「トタン」、錫と鉛の合金が「はんだ」。錫(すず)は、いろいろな素材と合わさって、私たちの生活の中に溶け込んできた素材のひとつです。抗菌性があり、錆びにくく、熱伝導がよく、加工しやすいやわらかさがあるのが、錫の特徴。より軽量かつ頑丈で熱に強いアルミニウムが量産されるようになるまでは、缶詰容器や食器などの日用品に広く用いられてきました。
錫が酒器によく使われるワケとは?

熱伝導率が高いため、燗をつける「ちろり」にもぴったり。また「片口と盃のセット」があれば冷酒をより涼やかに楽しめ、錫のぐい呑やお猪口であれば、手から伝わる温度の変化もゆるりと楽しめます。
日常使いしやすい?毒性はなく安全?

また、錫は毒性のない金属として世界中で昔から使われてきた金属。毒性のある「鉛」が混ざった素材や、人工的に作られた「有機スズ」がいわゆる環境ホルモンとして有害であることなどから勘違いされることがありますが、錫の食器や酒器は安心してお使いいただけます。
日本各地の工房5選とおすすめの錫製酒器
古くから日本の文化風習とともに育まれてきた錫製品。その加工技術は、富山県高岡市をはじめとした各地で発展し、今日に至っています。それぞれにストーリーがある工房とおすすめの酒器をご紹介します。1.「能作」 日本最大級のラインナップで人気
400年の歴史があると言われ、日本を代表する錫の鋳物工房が集まるのが、富山県高岡市。なかでも「能作(のうさく)」は、デザイン性が高く、多くのコラボレーションから生まれる商品も多彩で、世界でも注目を集めるメジャーブランドです。プチ贅沢な晩酌:片口とぐい呑みのセット
飽きがこないミニマルなデザイン。片口は約180ml、ぐい呑みは約85mlの大きさで、日々の晩酌にぴったり。
ギフトにも最適なぐい呑:富士山(FUJIYAMA)
世界文化遺産にも登録された日本の最高峰、富士山をモチーフにしたぐい呑です。内側の底にも富士山がデザインされているこだわりのデザインは、ギフトにも喜ばれます。
2.「NAGAE+(ナガエプリュス)」 高岡発の新進気鋭ブランド
富山県高岡市からもう一つご紹介。錫のアクセサリーなども手がける新ブランド「NAGAE+(ナガエプリュス)」が手がける酒器は、これまでにない遊び心と実用性が兼ね備わったラインナップです。旅先で出合う日本酒を堪能:TRAVEL CHOCO(旅する猪口)
桔梗の花のつぼみが開いていく様をデザイン。同じ日本酒でも、飲み口を変えることで味の変化を楽しむことができるという形状になっているのが面白い酒器です。
世界初!色をまとった錫の酒器:SHIKI COLORS
鍾乳洞からイメージされたデザインで、底の細かい凹凸は一見ランダムに見えますが、計算された3点の接地面があり安定。紅葉からイメージされたGoldとBronze、氷山からイメージされたIceGreenとIceNavyの4色展開で、このSakeCup(盃)以外に、片口やビアタンブラーなども。
【NAGAE+(ナガエプリュス)/富山県】SHIKI COLORS/SakeCup”]
3.「大阪錫器」 天下の台所から発展した錫の器
大阪における錫の器造りの起源は1679年。その後、心斎橋で錫屋の老舗「錫半(※現在は閉店)」が開業すると、徐々に特産品としての地位を確立。1983年には、錫器の伝統性・技術・技法等について審議の結果、伝統的工芸品「大阪浪華錫器」として指定・承認されています。職人芸の槌目模様が絶妙:千呂利 うずら中
江戸時代後期から残る伝統技術で作られた「ちろり」。内側の槌目模様が美しく、風情を醸し出しています。2合分の容量で、日常的に燗つけしたくなる逸品です。
4.「岩切美巧堂」 マツコも体感した錫の魅力は、西郷どんの里から
1656年の初採掘以来、薩摩錫器は飲食器や工芸品、大砲の砲身に利用されるなど、薩摩藩に大きな利益をもたらしました。「岩切美巧堂」は創業100周年を記念して2016年に「薩摩錫器工芸館」をオープン。錫皿制作体験コーナーも設けています。TV番組でもたびたび紹介されている人気の錫器を手がけています。
幅広く使える万能酒器:タンブラーオンザロック
焼酎やビール、ウイスキーなどいろいろな酒が楽しめるロックグラスサイズのタンブラーです。
5.「清課堂」 京の宮中行事とつながる錫の酒器
江戸後期(1839年)に錫師として創業。以来、神社仏閣の荘厳品、宮中の御用品の製作に携わりながら、さまざまな日用工芸品を作り続けています。なかでも酒の器は、侘び・寂びの美しさを反映した美しいものばかりです。◯清課堂 オフィシャルサイト
長く使うために!錫器のお手入れ&注意10カ条

- 表面に傷がつく場合があるので、硬いたわしなどでこすらないこと。
- 光沢が鈍くなってきた時は、重曹を使って磨くこと。
- 柔らかい素材のため多少の形の変化を楽しむのはよいが、過度に曲げると亀裂や破損の原因となるため注意すること。
- 融点が低い金属なので、火気の近くに置かないこと。
- 熱伝導率が高いので熱いものを入れると器ごと熱くなります。火傷には十分注意すること。
- 電子レンジで燗つけしたり、食器洗浄機や乾燥機を使用しないこと。
- 低温により錫が変質するおそれがあるため、冷凍庫には入れないこと。
- 冷蔵庫での長時間の保管も避けること。
変色の原因となるので、酸味の強いものや色の濃いものを長時間入れたままにしないこと。
錫婚式のお祝い、大切な方へのギフトに

錫婚式のお祝いの品としてはもちろん、大切な友人や家族に贈るギフトとしても錫器はおすすめのアイテムです。また、10年にわたって何かをやり遂げた自分へのごほうびにというのもすてきですね。
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