【而今】家で飲みたい13本!名前の意味は?純米吟醸や酒米別の日本酒たち

特約店でも希少となっている三重の日本酒「而今」を徹底紹介!その名前の意味、造り手のこだわり、さらに「純米大吟醸」山田錦や雄町の米違いの「純米吟醸」、愛山・酒未来・千本錦・八反錦といった米別の「特別純米酒」など、定価でなくても通販で買える13本を紹介します。


出典:たべごと編集部
以前、日本酒の銘柄は約2万種類あるということを聞いたことがあります。そんな数ある銘柄の中でも、三重県の「而今(じこん)」は日本酒の頂点に君臨すると言っても過言ではないお酒。まず、四合瓶(720ml)ですら数万円の値段がつく高級品で、滅多に飲むことができない逸品ということ。そしてそもそも少数生産のため入手すること自体が難しいのです! 「特別な日本酒」という印象が強い「而今」とは一体どんな日本酒なのでしょう。今回は、”高くても手に入れたい”「而今」に迫ります。

「而今(じこん)」という名前の意味は?

出典:写真AC
木屋正酒造の6代目蔵元・大西唯克さんが、酒づくりの流派の一つである「但馬杜氏」のもとで2年間修行し、醸造したお酒に名付けたのが「而今」。

「而今」という言葉には、「過去にも囚われず未来にも囚われず、今をただ精一杯生きる」という意味があるそうです。この言葉は、酒づくりに真摯に取り組んだ6代目蔵元の精神や想いが込められた、まさに「一球入魂の日本酒」であることを表しているのではないかと思います。

「而今」ってどんな日本酒?

日本酒ファンだけでなく地酒専門店からも圧倒的な人気を誇る「而今」は、甘味と酸味のバランスが抜群の日本酒と言われています。特に「而今」ならではの酸味の絶妙さは、他ではなかなか味わえないとして、このお酒が登場した当時から注目されていたそう。

「而今」銘柄は約20種類ほどありますが、「伊賀山田錦」を中心に「愛山」「千本錦」「酒未来」などの種類の異なる酒造好適米を使い、月毎で違う銘柄が出荷されます。香り高い果実のようなジューシー感で、「どれを飲んでも魅了される」と、一度飲んだら虜になってしまう魔性の日本酒は、肥沃な土地と水量の豊富な名張川が流れる伊賀盆地の恵まれた気候と風土の中で、丁寧な手仕事によって生み出されています。

出典:写真AC
そんな多品種少量生産で希少酒と言われる「而今」の中でも、特に「火入れ酒」は別格だそう。一般的には火入れを施すとフレッシュ感が失われると言いますが、「而今」の火入れタイプは不思議なことにフレッシュ感が残ったまま。「生」を売りにするお酒が多い中で「而今」銘柄は「火入れ」も同じくらいおすすめされる絶品酒なのです。

而今の定価購入は至難!伊勢志摩サミットでさらに入手困難に

出典:PIXTA
「而今」を生産している木屋正酒造は、創業当時から築200年の蔵で酒づくりを行っています。昔ながらの製法を守り品質重視の酒づくりに取り組んでいるため、できあがる酒量は必然的に少量となります。

また「而今」の酒づくりは、地元農家さんの協力を得て原料となる酒米を田植えから携わるなど、一見頑固すぎるほどのこだわりが。妥協しない酒づくりが生み出す唯一無二のおいしさと、職人の誇りと心意気に惚れ込んだファンが多く、「而今」は手に入らない逸品になってしまったとも言えます。特約店で定価購入するのも至難の業です。

加えて、2016年には伊勢志摩サミットの乾杯酒として選ばれたことで広く注目され、ますます手に入れるのが困難となってしまいました。

通販で買える而今【純米吟醸4本】

吟醸酒・純米酒本醸造酒のことを「特定名称酒」と言います。その中で「純米吟醸」は「吟醸酒」の中に含まれ、玄米白米になる割合(精米歩合)が60%以下の「吟醸造り」と呼ばれる低温長期発酵でつくられた清酒のことを指します。

純米吟醸 山田錦 〜生と火入れ〜

メロンのような芳醇な香りが鼻から抜けていき、滑らかな口当たりとすっきりとした後味に酔いしれてしまうという評判の高い銘柄。「而今らしさ」が一番表現されているらしい、ぜひ最初に飲んでみたい銘柄と言われます。

ITEM
純米吟醸 山田錦 無濾過生 720ml
原料米 : 三重県産 山田錦
精米歩合 : 50% 
日本酒度 : +1
酸度 : 1.7
アルコール分 : 16.2%


ITEM
純米吟醸 山田錦 火入れ 720ml
使用米:山田錦
精米歩合:50%
アルコール:16度
日本度:±0

純米吟醸 雄町 〜生と火入れ

まろやかな口当たりで甘みに厚みがあると表現されます。「雄町」由来のしっかりとした甘みと「而今」特有の絶妙な酸味、その相性はファンのお墨付きです。甘みが重くなりすぎないよう酸味がセーブしてくれるという、甘みと酸味が相棒のような関係のお酒。

ITEM
純米吟醸 雄町 無濾過生 720ml
原料米:岡山産雄町
精米歩合:50%
アルコール度数:16.5%
日本度:±0


ITEM
而今 純米吟醸 雄町 火入れ 720ml
原材料:岡山雄町
アルコール:16.5度

通販で買える而今【特別純米】の7本

出典:写真AC
「特別純米」は、米および米麹と水だけを原料としてつくった「純米酒」という種類の中に含まれます。純米酒は醸造アルコールを添加しないので米の旨みを感じやすいのが特徴。さらに純米酒の中でも味や色が特に良く、使用した原料や製造方法によって「その良さの理由」を説明表示できる場合にのみ、「特別純米酒」と呼ぶことができます。

「而今」の特別純米酒には、酒米が異なる「生無濾過・火入れ・にごり生」という、製造方法の異なる全7銘柄があります。それぞれをご紹介していきましょう。

特別純米 愛山

「愛山」の良さはふっくらとしたうま味です。丸みのあるふくよかな味わいにフルーティーな香りが特徴的と言われ、優雅に杯を傾けながら余韻を噛み締めたい一本だそうです。

ITEM
而今 純米吟醸 愛山 火入れ 720ml
原材料:愛山
アルコール度数:16度

特別純米 酒未来

「酒未来」は、同じく幻の酒として有名な「十四代」の蔵元・高木酒造が生み出した酒米。上品で濃密な香りに優しい甘みと、うっとりするような言葉で表現される日本酒です。

ITEM
純米吟醸 酒未来 無濾過生 1800ml
原材料:酒未来
アルコール度数:16度

特別純米 千本錦

広島県でつくられた「千本錦」は「中生新千本」に「山田錦」を交配させて生まれました。花のようにふわりと香り、口に含むとさらに華やかさが増すというとってもロマンチックな銘柄。

ITEM
純米吟醸 千本錦 火入れ 720ml
原料米 : 広島産「千本錦」100%
アルコール度 : 16度

特別純米 八反錦

「千本錦」と同じく広島県を中心につくられる酒米で、淡麗な味わいに仕上がりやすいのが特徴だそう。強い甘みに爽やかな酸味という「而今」らしさと「火入れ」ならではの丸い口当たりが評判と、聞いているだけで飲みたくなる銘柄です。

ITEM
純米吟醸 八反錦 火入れ 720ml
原料米:八反錦
アルコール度数:16度

特別純米 生無濾過



青リンゴとバナナを足したようなフルーティーな香りに、強いジューシー感がガツンと鼻を突き抜ける味わいと言われます。甘さ控えめでうま味が強いという感想が多く、甘みが強めの銘柄が多い「而今」だけに気になる一本。

ITEM
特別純米 生無濾過 1800ml
原料米 : 五百万石
精米歩合 : 60%
日本酒度 : ±0
酸度 : 1.7
アルコール分 : 16%

特別純米 火入れ

而今とは何か」を教えてくれるのがこの銘柄だそう。一部では「而今」の登竜門的存在だと言われているようで、手土産や贈り物としても重宝しそうな一本です。

ITEM
特別純米 火入れ 720ml
原料米:麹米・山田錦、掛米・五百万石
精米歩合:60%
アルコール:16度

特別純米 にごり生

熱烈なファンの間では「にごり酒の最高峰」と言われる「而今」の特別純米・にごり生。リンゴや白桃を感じさせるほんのりと甘い香りに、注いだ瞬間にガス感が弾ける爽やかさとフルーティーさが溢れんばかりの銘柄。

ITEM
特別純米 にごり生 1800ml
原材料:米・米麹
アルコール度数:16度

通販で買える而今【純米大吟醸】の1本

純米大吟醸酒」という特定名称酒は、醸造アルコールの添加がされていない 「純米酒」で、精米歩合が50%以下の「大吟醸」の酒のことです。

出典:写真AC
「而今」の数ある銘柄の中でもこの「純米大吟醸」は最高峰のランクにあたります。その存在感は圧倒的。味わいは「華やか、濃密、それでいて軽やか」と非の打ち所を感じさせないコメントがよく聞かれます。「極上の舌触り」とまで言われたその珠玉の日本酒、特別な人と特別な瞬間に飲んでみたいものです。

ITEM
而今 純米大吟醸 720ml
アルコール度数:16度

三重県では数少ない、全国レベルのおいしいお酒。
ぶっちぎりのおいしさなのに、伊勢志摩サミットの晩餐会に登場してからは入手困難に拍車が。


而今の造り手「木屋正酒造」のストーリー

三重県名張市にある「木屋正酒造」は、文政元年(1818年)に創業した老舗の蔵元です。初代大西庄八さんが譲り受けた酒屋「ほてい屋」を「木屋正」 と屋号を改め、継承したことからその歴史がはじまります。

出典:写真AC
「而今」は老舗の、蔵を代表する銘柄です。さぞ歴史のあるお酒なのだろうと思われがちですが、6代目蔵元である大西唯克さんが2005年につくり出した比較的新しい日本酒。

実は6代目が蔵を引き継いだ当時は「高砂(たかさご)」という銘柄が主力でした。「瓶の中に想いを込める」「現状に満足せず改善を繰りかえす」という強い信念のある6代目蔵元は、この品質に満足することなく、時代に合わせた日本酒づくりを開始したのです。

洗米から麹づくりの各工程には機械を使わずに手作業の味を追い求めながらも、温度管理は徹底し、データや理論を活用する酒づくりに方向転換。伝統とテクノロジーを融合し試行錯誤を重ねた結果、生まれたのが現代の「而今」です。

「高砂」というブランド

「而今」が蔵の代名詞になる前に主力商品として販売していたのが「高砂」。ご存知の方も多いかもしれませんが「高砂」という名前のお酒は日本各地に存在しているため、他の蔵元の銘柄と混同されないように、さらには木屋正酒造オリジナルのブランドを確立させたいという意志もあり、「而今」という銘柄が生み出された背景があるようです。

時を経て「高砂」は木屋正酒造200周年の節目に「而今」とは違う銘柄への挑戦として、現代に生まれ変わり販売されることとなりました。

出典:写真AC
精米歩合45%でつくり上げた「高砂」は「而今」よりも味わいはやや控えめな印象だそう。香りは穏やかで爽やかさが優った味わいの「而今」とは一味違う、ドライだけど上品に仕上がった上質な日本酒。登録有形文化財にも指定され、当時の風情を残したままの木屋正酒造。しみじみと染み渡るような味わいの「高砂」は、木屋正酒造の歴史を深く感じさせるお酒なのでしょう。

ITEM
高砂 松喰鶴(まつくいづる) 純米大吟醸 720ml
アルコール度数:16.5度

三重の酒蔵に想いを馳せて

出典:写真AC
まるで宝物をお裾分けしてもらうような、大切に飲みたくなるストーリーがある日本酒「 而今」。その銘柄名に込められた「今、この一瞬を大切に生きる」という意味のように、まるで6代目蔵元の実直さを生き映しているかのような日本酒だと感じました。

たしかに高級だけど「高い」には相応の理由があるのだなとしみじみと思います。私にとって「 而今」は、みんなでワイワイというより、家でじっくりと、大切な人と一緒に飲みたい特別なお酒なのかもしれません。


今、あなたにオススメ

この記事が気に入ったら
「いいね!」をしよう
番匠郁
番匠郁

ライター時々料理人

道産子と九州男児のハーフ。関西弁、大分弁、金沢弁を話すトライリンガル。
アーティスト山村幸則氏の作品制作に携わったことをきっかけに、働き方や住む場所に捉われない生き方を模索するようになる。
コミュニケーションアートを通してまちづくりに関わるなか、「人の集まる場所には食がある」ことに気がつき、以来、食を媒介した街・人・アートの仲立ちプロジェクトを幅広く展開。
役者として舞台に立ちながら開始した劇場ケータリング”劇場メシ”では、演者やスタッフを食で支える裏方の裏方として活動。生産現場にも足を運び、土を耕し自ら収穫して料理をつくる体育会系ライター。
動画作成チーム”ButterToast”ではシナリオも担当。

OFFICIAL SNS

公式プロライター

  • つづきはるか
  • 佐野 嘉彦
  • 鈴木 晴奈
  • 東江千尋
  • 番匠郁
  • モチヅキ アヤノ
  • 大迫章代
  • 森崎夏子
  • 里川早帆
  • 都良
  • くぼた かおり
  • 若子みな美