
1.「はぎ取り」
側面に使う製材した部材の両端を薄く削ります。この薄浮くした部分は、側面の板を曲げた時につなぎ目になるところです。木を曲げて端を合わせたとき全体が均一な厚さになるように加工します。
2.「煮沸」
はぎ取りした板を湯船につけて80度になるまで煮ます。きれいに曲げるために水分を吸わせます。
3.「曲げ加工」
湯船から板を引き上げたら、丸太に添わせてクルクル巻いていきます。それはまるで、巻物をクルクル巻いていくかのように曲げていきます。丸太である程度、曲がってきたら、規定サイズの型に巻きつけ、大きなクリップのような留め具で木を型に固定します。
4.「乾燥」
曲げた部材を1週間以上かけて乾燥し、形を定着させます。
5.「接着」
接着材をつけて、先ほど登場した大きな木製の留め具で固定。1日乾かします。
6.「底入れ」
接着した曲げ板に底板を入れていきます。板をはめ、トンカチで軽く全体を叩き調整します。
7.「桜皮とじ」
最後に接着部分を桜の木の皮で綴じます。
実は簡単!曲げわっぱのお手入れ方法

塗装されていない曲げわっぱの場合
- ・柔らかいスポンジなどでやさしく擦り、ぬるま湯で洗い流します。
- ・木に吸収されてしまうため、洗剤は使いません。
- ・汚れがこびりついていたら、かためのスポンジの角で落とします。
- ・昔ながらの研磨剤入りのクレンザーとたわしを使ってもOK。丁寧に隅まで洗いましょう。ただし、塗装してある曲げわっぱには絶対に使わないでください。傷がついて、そこからカビてしまうこともあります。
- ・風通しの良い場所で乾燥させましょう。(丸1日以上)
漆塗りの曲げわっぱの場合
- ・柔らかいスポンジなどを使って、洗剤で洗い流します。漆塗りなので、洗剤で洗って大丈夫です。
- ・布巾やタオルで水気を拭き取ります。
- ・風通しの良い場所で乾燥させます。(丸1日以上)
新しい曲げわっぱを購入したらアク抜きをしましょう!
- ・80〜90℃のお湯に30分〜1時間つけておきます。
- ・曲げわっぱが浮いてくるので、重石を乗せることをお忘れなく。
- ・つけていたお湯に色がついていれば、アクが出たサインです。
- ・曲げわっぱの水気を十分に拭き取って、風通しの良いところで乾燥させましょう。
電子レンジで使える?使用上の注意

プラスチック製の曲げわっぱ風お弁当箱
こちらの弁当箱は、見た目が曲げわっぱに見える、プラスチック製の弁当箱です。電子レンジを毎日使いそうな方はこちらのような弁当箱も選択肢の一つに入れてもいいのではないでしょうか?・内容量総容量:520ml(上段220ml、下段300ml)
・材質:飽和ポリエステルとABS樹脂の成型品カラー溜
・生産国:日本製
電子レンジOK!尾鷲わっぱ
三重県尾鷲市で作られている尾鷲わっぱ。こちらの曲げわっぱは、尾鷲ヒノキや国産漆を使って作られていますが、職人の奥様が2年間毎日、電子レンジに入れても壊れなかったというお墨付きの一品です。電子レンジ対応曲げわっぱはとても少ないので、貴重です!曲げわっぱのルーツを探ろう

曲げわっぱが人々の生活で使われはじめたのは、奈良時代から。木こりが杉を曲げ、桜の木の皮で止めたものが最初の曲物だと言われています。時は平安、鎌倉と流れ、戦国時代。現在の秋田県大館市では、関ヶ原の戦いの後、大館城主となった佐竹西家が、領内の豊富な森林資源を利用して貧しい状態を打開するために下級武士たちに命じて、副業として曲げわっぱの製作を奨励しました。完成した曲げわっぱ製品は酒田・新潟・関東等へ運ばれていったそうです。「大館曲げわっぱ」全国で唯一、国の伝統工芸品として指定されています。
秋田の大館以外も!曲物の産地について
静岡県 井川メンパ

福岡県 博多曲物(はかたまげもの)

長野県 木曽曲物


この他にも、三重県尾鷲市で作られている「尾鷲わっぱ」や群馬県中之条町入山地区の「入山メンパ 」などがあります。全国各地で曲物は作られ、その土地の歴史文化に合わせて変化していったようです。
曲げわっぱのある生活を始めよう!
ご紹介したように、曲げわっぱ(曲物)は私たちの暮らしの中のさまざまな場面で登場します。おひつやせいろ、茶道具の建水。使われ方はそれぞれ違いますが、曲げわっぱの魅力が各所で発揮されています。まず最初は、弁当箱を使うことから、曲げわっぱのある暮らしを始めてみてはいかがでしょうか?まずは、曲げわっぱならではのおいしいご飯をぜひ体感してくださいね。編集部おすすめ記事
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