
焼酎の本場ともいわれる九州で、特に人気の酒造といえば宮崎県にある「霧島酒造」です。中でも、「黒霧島」はクセが少なく飲みやすいことから、同社を代表する人気銘柄となっています。全国に多くのファンがいる霧島酒造ですが、実は「黒霧島」以外にも気になる焼酎を造っています。その一つが、幻の紫芋を使う「赤霧島」です。黒霧島よりもレアな焼酎といわれる赤霧島。赤霧島ならではの味の特徴や黒霧島との違いをご紹介します。
「霧島酒造」が理想を求めたどり着いた「赤霧島」
焼酎シェア日本一 創業100余年の老舗醸造「霧島酒造」

「赤霧島」を生み出したのは、創業100年以上の老舗醸造「霧島酒造株式会社」です。宮崎県都城市に本社を置き、工場近くで掘り当てた天然水「霧島裂罅(れっか)水」で仕込む焼酎が人気で、今や焼酎シェア日本一を誇るメーカーとなっています。その代表が、”クロキリ”の愛称で親しまれる本格芋焼酎「黒霧島」です。このほか、「茜霧島」「白霧島」などの銘柄があり、その味は「食に合う焼酎」として高く評価され、焼酎ブームをけん引しています。
高みを求め続け、たどり着いた赤霧島の誕生秘話

高品質の芋焼酎を作り続ける霧島酒造は、新品種の芋が生まれるたびに、さらなる高みを目指して醸造試験を繰り返しています。その研究で多くの焼酎を造ったものの、理想の味にたどり着くことは難しかったそう。そんななか注目したのが、紫芋の「ムラサキマサリ」です。ムラサキマサリで造った焼酎は、霧島酒造が求めた「唯一無二の味酒(うまさけ)」そのもの。醸造過程でムラサキマサリのポリフェノールが焼酎糀のクエン酸と反応し、もろみが真っ赤になることから、この焼酎は「赤霧島」と名付けられました。
「赤霧島」と「黒霧島」の味の違いは?レアといわれる理由
甘味と香りが特徴

赤霧島はムラサキマサリを使うことで、これまでにない華やかで彩のある味と香りが楽しめる焼酎です。まろやかな口当たりで、フルーティーな味わいはまるで花が咲き乱れるよう。赤いパッケージには「百花繚乱」の文字が刻印されています。赤霧島のキャッチコピー「みやびにするっと」の通り、非常に香り高く澄んだ甘味が特徴で、非常に飲みやすい仕上がりです。そのためどんな料理にも合わせやすく、芋焼酎独特のクセが苦手という人も試してみる価値ありといえます。
黒霧島との違いは?大きな違いはサツマイモにあり

出典:写真AC
赤霧島と黒霧島、同じ焼酎ですが大きく違うのは原材料です。赤霧島は、紫芋の「ムラサキマサリ」が使われています。一方、霧島酒造の売れ筋である黒霧島には「黄金千貫(コガネセンガン)」というサツマイモを使用。これは、九州農業試験場で育成された品種で、鹿児島を中心に主に九州で栽培されています。当然、この原材料の違いは味にも影響します。黒霧島は赤霧島に比べて香りが穏やか。トロッとした甘味とキリッとした後切れの良さが楽しめます。
赤霧島はレア?
赤霧島の原材料ムラサキマサリは、「幻の芋」ともいわれる貴重なもの。2003年の発売からしばらくの間、「赤霧島」は数量限定の販売でした。しかもムラサキマサリの収穫時期に合わせて造られるため、販売は春と秋のみ。そのため以前は入手しにくく、希少価値が付いていたこともあるのです。「赤霧島はレア」といわれるのはそのため。しかし、2018年秋から通年販売されることになり、現在は安定供給されています。
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