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【国産ワイン】長野ワインのおすすめ10選!ソムリエが選んだ注目ワインとは?産地や品種の特徴も解説!


白ワイン用ぶどう品種

白ぶどう
出典:shutterstock
白ワイン用のぶどう品種は「ナイアガラ」、「シャルドネ」、「竜眼(龍眼)」が生産量トップ3です。中でも竜眼はほかの土地ではあまり栽培されていないため希少ですが、地元の人にとっては古くからなじみのあるぶどう品種です。

3位:竜眼

竜眼はもともとは生食用のぶどう品種でしたが、さわやかな酸味と独特のアロマで人気が高まっています。また、竜眼の最大の特徴は日本酒のような独特な風味を感じる点です。
そのため竜眼から造られるワインは、お寿司や刺し身、天ぷらといった伝統的な日本食との相性がとても良いです。まだまだ知名度は低いですが、醸造プロセスによって辛口にも甘口にも仕上げられるポテンシャルの高さが近年評価されており、今後はより注目が高まっていくでしょう。また生食用としてもおいしく食べられるので、地元では古くから愛されているぶどう品種です。

2位:シャルドネ

世界的にも一番知名度のあるぶどう品種で、白ワインの王道です。
原産地のフランスを中心に、アメリカ、オーストラリア、イタリア、チリ、南アフリカ共和国と世界各国で栽培されています。長野は日本国内では全国1位の生産量を誇り(2位は山形)、2000年代以降は栽培面積が3倍以上に増加しています。ステンレスタンクで造るか、樽(たる)で熟成させるかによってワインの味わいに大きく差が出る品種で、味わいにもバリエーションがあります。ステンレスタンクだと軽めの飲み口でキレのある酸味が特徴で、さっぱりした飲み心地に。一方で樽熟成させるとゴールドイエローの濃い色調になり、パイナップルやバニラのようなニュアンスで、コクがあってクリーミーな味わいになります。

1位:ナイアガラ

アメリカのナイアガラで交配されたぶどう品種。日本全体でも第3位の生産量(1位甲州、2位マスカット・ベーリーA)です。中甘口の飲みやすい味わいで、スパークリングワインの原料としても使われています。マスカットのようなさわやかなアロマが強く香るので、ワインだけでなく果汁を搾ったジュースや生食用としても親しまれているぶどうです。ナイアガラで造られたワインは、ワインを飲み慣れていない初心者の方でも親しみやすい飲みやすさがあり人気です。食前酒から食後酒まで幅広いシーンに合わせられ、比較的リーズナブルに手に入るので、デイリーワインとして楽しめるワインです。

赤ワイン用ぶどう品種

黒ブドウ
出典:shutterstock
赤ワイン用ぶどう品種は「マスカット・ベーリーA」「メルロー」「コンコード」が生産量トップ3です。また、日本におけるコンコードの生産量は長野がダントツの1位。渋みが少なくフルーティな味わいなので幅広い世代に人気のぶどうですが、ワイン愛好家が特に注目しているのは県内生産量2位のメルローです。

3位:マスカット・ベーリーA

1927年に川上善兵衛が新潟で開発した黒ぶどうで、2013年に国際ぶどうワイン機構に登録された品種。山梨、山形、岡山などでも盛んに栽培されています。
マスカット・ベーリーAのアロマは特徴的で、ときおり「イチゴキャンディ」「わたあめ」などと形容されます。タンニン(渋み)が比較的穏やかで酸味があるタイプが多いので、ライトボディ〜ミディアムボディに仕上がることが多いです。優しい口当たりで、だしやしょう油ベースの和食との相性が抜群。また、赤ワインだけでなく、ロゼワインやスパークリングワインの原料としても優秀なので、今後も注目したいぶどう品種のひとつです。

2位:メルロー

原産地はフランスのボルドー地方で、フランスのほか、アメリカ、イタリア、スペインを中心に世界各国で作られている国際品種です。日本国内では長野が全国1位の生産量を誇ります(2位は山梨)。各地で作られていますが、特に塩尻市の桔梗ヶ原がメルローの産地として非常に有名です。ブラックベリーのようなコクのある果実味と舌触りがなめらかなタンニンが特徴で、全体的に丸みを帯びた優しい味わいになります。カベルネ・ソーヴィニヨンとブレンドされることも多く、長期熟成にも耐えうるぶどう品種です。

本場フランスのボルドーやカリフォルニアでは高級ラインのワインに使われるぶどう品種で、長野産のメルローで作られるワインも比較的高値になることも。

1位:コンコード

日本国内で栽培されているコンコードのほとんどが長野産です。原産地のアメリカでは、ジャムやソフトドリンクの材料としても使われています。甘口に仕上げられることが多いですが、近年ではさっぱりした辛口にするスタイルのワインも出ています。程よい酸味と穏やかな渋みでバランスが良く飲みやすいため、コンコードから造られるワインは普段ワインを飲み慣れていない初心者の方にもおすすめです。
もちろん生食用としても人気のぶどう品種なので、生搾りのぶどうジュースなども多く流通しています。同じコンコードでも生産地によって味わいや香りが違うので、違いを楽しめるのも特徴です。

ソムリエがセレクトした注目の長野ワインをピックアップ!

ソムリエ
出典:shutterstock
今回は筆者が特におすすめする長野ワインをひとつピックアップします。
セレクトしたのは「アント 高山村メルロー 」です。

アント 高山村メルロー とは?

ワイン写真
撮影:daichi yoshikawa
商品名:アント 高山村メルロー 2019
ぶどう品種:メルロー(長野県高山村産)100%
生産年:2019年
生産地:長野県上高井郡高山村
ワイナリー:信州たかやまワイナリー
容量:750ml
アルコール度数:12.5%
・飲み口:重○○●○○軽
・香り:強○●○○○弱
・酸味:強○○●○○弱
・渋み:強○○●○○弱
HP:https://www.shinshu-takayama.wine/

長期熟成に耐えうる高品質メルロー

商品名の「ANTO」は地元の方言で「ありがとう」という意味。標高400〜850mに広がる畑が作り出す高品質なぶどうから生まれたワインです。生産元は2016年に13人の農家が主体となって生まれた信州たかやまワイナリー。ぶどう栽培と醸造、販売まで行い、人材育成にも力を入れているワイナリーです。醸造を手がけているのは鷹野永一氏。高山村のぶどうを誰よりも知る醸造家として有名です。

「世界に羽ばたくワインを目指して」というコンセプトで造られる高品質なワインは日本全国のワインラバーに親しまれています。

ソムリエ吉川のテイスティングコメント

ぶどう品種はフランス・ボルドー原産のメルロー。想定していたよりも飲み口は軽く、赤ワインにおいて重要な渋みを感じさせるタンニンは非常にシルキー。なめらかな舌触りでメルローの特徴がよく出ています。ブラックベリーやアメリカンチェリーのような果実味を感じますが、飲み込んだ後にはほのかに残る苦味が特徴的です。抜栓して2時間程経ってからは、ナツメグやこしょうのようなスパイスのアクセントも感じられました。

2019年ヴィンテージは長梅雨や大きな台風があり気候条件としては恵まれなかったものの、素晴らしい仕上がりに。できればワインセラーでゆっくり寝かせて、2023〜2025年あたりに開けて熟成した味わいを楽しみたい気持ちもあります。
味わいはミディアムボディですが、しっかりとしたタンニンがあるので長期熟成にも耐えうるワインです。何本か買って熟成感の違いを楽しむのもおすすめですね。

ANTOとのおすすめペアリング料理

ミディアムボディでタンニンがなめらかなので、甘辛い味付けの肉料理と相性が良いです。ミートボールやテリヤキチキン、油淋鶏(ゆーりんちー)、ミートソースドリアなど、和洋中問わず肉料理と一緒に楽しめそうです。筆者はデミグラスソースをかけたハンバーグと合わせましたが、お肉のジューシーな甘みとメルローのなめらかなタンニンが非常にマッチしていました。
また、ワインのペアリングの鉄則として、「生産地と地のものを合わせる」というのがあります。長野ならではのご当地料理である信州サーモンや五平餅、信州そばなどと合わせてみるのも面白いでしょう。
ITEM
アント 高山村メルロー
・ぶどう品種:メルロー
・内容量:750ml
・タイプ:赤ワイン
・アルコール度数:12.5%

ギフトやお土産にも最適!ソムリエが厳選したおすすめ長野ワイン10選

ワイングラス
出典:shutterstock
今回紹介する長野ワイン10点は、老舗のワイナリーから近年設立されたワイナリーまで幅広くピックアップしています。食事やシチュエーションに合わせて参考にしてください。価格帯もリーズナブルなワインを中心にピックアップしたので、お土産やギフトにも最適です!

また、今回セレクトしたワインの中には、長野県原産地呼称管理委員会の厳しい審査に通って高品質であることを認められたワインもありますのであわせてチェックしてみてください。

※原産地呼称管理制度:より高品質のワインの提供と生産情報の開示をすることで消費者への信頼を獲得し地域振興を図ることを目的とした制度。


商品名 タイプ ぶどう品種 度数 参考価格※ ワイナリー
1 グランポレール 長野メルロー 赤ワイン メルロー 13% ¥2,640 グランポレール
2  サントリー 塩尻メルロ 赤ワイン メルロー 12.5% ¥3,960 サントリー塩尻ワイナリー
3 井筒ワインスタンダード 白 白ワイン ナイアガラ 13% ¥1,498 井筒ワイン
4 信州たかやまワイナリー アント 高山村 シャルドネ アンオーク 白ワイン シャルドネ 12% ¥3,689 信州たかやまワイナリー
5 井筒ワイン NAC ピノ・ブラン 白ワイン ピノ・ブラン 12.5% ¥1,557 井筒ワイン
6 五一わいん エステートゴイチ シャルドネ 白ワイン シャルドネ 12% ¥1,988 五一わいん
7 アルプス ミュゼドゥヴァン 善光寺竜眼 白ワイン 竜眼 12% ¥1,540 アルプス
8 山辺ワイナリー シャルドネ 樽発酵 白ワイン シャルドネ 12% ¥3,506 山辺ワイナリー
9 ドメーヌコーセイ 片丘メルロ アメリカンオーク 赤ワイン メルロー 12.5% ¥4,290 ドメーヌコーセイ
10 塩尻ワイナリー メルロ ロゼ ロゼワイン メルロー 12.5% ¥2,200 塩尻ワイナリー
※参考価格は2021年5月現在

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吉川 大智

日本ワインに精通しているJ.S.A認定ソムリエ。バーテンダー、ワインバーマネージャーを経て現在ライターとして活動中。過去には40カ国200都市の酒場とワイナリーを訪問。ワインは年間で100本以上飲む。 Instagramではワインと料理のペアリングを紹介するアカウントを運営。

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