お米を保存する際のポイント
せっかくおいしいお米を買っても保存状態が悪ければ味が落ちてしまいます。お米を保存する際の、重要なポイントは3つです。温度
精米する前の玄米の場合、カビや虫の発生を抑えられる15℃以下で保存を。精米は、玄米の状態よりも日持ちがしないため、低温で保存するのが望ましいです。直射日光が当たる場所や、レンジの付近など高温にならない場所に保管を。湿度
高い湿度はカビ発生や虫がつく原因に。湿度55%~75%がお米の保存に適した湿度と言われています。湿気がたまりやすいキッチンのシンクの下や床下の保管庫などには置くのは避けましょう。酸化
お米の劣化には酸化も影響します。袋を開けたままにすると、空気に触れると酸化してしまいます。また、米袋には目に見えない小さな穴が開いているので、密閉容器に移し替えるのがおすすめ。保存する際の注意点
冷暗所に保管する
一般の家庭では冷蔵庫の野菜室がおすすめです。冷蔵庫の野菜室で保管すると常温で保管するよりも2倍おいしさが長持ちします。密閉容器で保管する
お米は空気に触れることで酸化が進みます。またお米は臭いを吸収しやすい性格があるので、蓋つきのタッパーやチャック付きのビニールパック、ペットボトルなどに入れて保管します。米びつをこまめに掃除する
米びつを使って保管する場合は、お米が残っているうちに新しいお米を上から入れないようにします。米びつの隅にはヌカや古いお米が乾燥して粉状になったものが溜まっています。これらが新しいお米の劣化を早める原因になります。古いお米を使いきり、米びつを掃除してから、新しいお米を入れるようにしましょう。
お米の保存期間
お米の賞味期限は、温度25℃で2カ月、20℃で3カ月、15℃で5カ月、5℃で7カ月程度です。ただし、温度以外の保存条件が悪ければさらに短くなります。いずれにしても、あまり大量に買い過ぎないようにしましょう。最近、見かける無洗米とは? 無洗米のおいしい炊き方
無洗米って?
無洗米は、今まで水を入れてとぎ洗いしていたお米の表面の肌ヌカを、あらかじめ工場で取り除いたお米のことです。名前の通り洗わなくても炊けることから、お米を研ぐ手間や時間が省けるので、大量にごはんを消費する飲食店など外食産業で多く利用されています。また一般の家庭でも、忙しい主婦を中心に利用が広がっています。無洗米の炊き方
①無洗米用計量カップでお米の量を計る(無洗米用計量カップがない場合には、無洗米は肌ヌカをとぎ洗いして取り除かない分、精白米より正味の量が多くなるので炊飯器に入れる水の量を少し多めにします)
②炊飯器に入れ、目盛りまで2~3回さっとかき混ぜる。
③炊飯器のスイッチを入れて炊く。
最近の炊飯器には、無洗米用の炊飯コースがついているものが多くなっています。取扱説明書を確認してみましょう。
品種改良を重ねて人気が出た北海道米
かつての低評価も、戦後は出荷日本一に
北海道の米作りの歴史
北海道でお米作りが始められたのは、道南の渡島地方で元禄5(1692)年という記録が残っています。当時の品種と栽培技術では寒さのためにうまく育てることができませんでした。それから181年後の明治6(1873)年、現在の大阪河内から島松村(現在の恵庭市)に入植した中山久蔵が、道南から耐寒品種の「赤毛種」の種もみを取り寄せ栽培し、道南以北では初めて栽培に成功しました。中山久蔵は、育てた種もみを開拓農民に無償で配り、北海道各地に米作りが広がっていきました。このことから中山久蔵は「北海道稲作の父」といわれています。
日本一の米どころに
北海道の米作りは特に上川地方で盛んに行われ、昭和3(1928)年には収穫量が百万石(約15万トン)を超え、「上川百万石」の米どころとして有名になりました。さらに、昭和38(1963)年には旭川産米が出荷日本一となりました。しかし、生産量が増えても当時の北海道米の味はけっして良くありませんでした。猫も食べずに跨いで通り過ぎる「猫またぎ米」とさえ言われたほどです。
品種改良によって生まれ変わった北海道米のイメージ
良質米の早期開発試験事業
北海道米のあまりおいしくないというイメージを払拭するために、北海道庁は昭和55(1980)年から「良質米の早期開発試験」事業を開始しました。そして昭和63(1988)年に北海道立上川農業試験場が開発した品種「きらら397」が登場し、まずいと言われた北海道米のイメージが変わったのです。その後、平成8(1996)年に「ほしのゆめ」が、平成13(2001)年には現在も主力品種として栽培されている「ななつぼし」が登場して、他府県の有名な銘柄米と比較してもおいしいとの評価を得て人気になっていきました。
続々と特Aランク米が登場
「ななつぼし」は、平成22(2010)年に北海道米として初めて日本穀物検定協会の食味ランキングにおいて最高ランクの「特A」を獲得、翌年には「ななつぼし」と参考品種の「ゆめぴりか」が「特A」と評価され”おいしい北海道のお米”として全国の人に知られるようになりました。最近では超人気タレントのマツコ・デラックスさんが登場し「ゆめぴりか」や「ふっくりんこ」「ななつぼし」の北海道米をPRするTVのCMが話題となっています。
安心安全でおいしい北海道のお米
北海道は夏でも冷涼で湿度が低いことから病害虫の発生が少く、農薬の使用を抑えたクリーンで安心安全な米づくりが行われています。また「ゆめぴりか」や「ななつぼし」、「ふっくりんこ」が食味ランキングで特Aを獲得するなど、北海道にはおいしいお米がたくさんあります。ぜひ北海道のいろいろな品種のお米を食べ比べてみてくださいね。