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2013年に国税庁長官が「種類の地理的表示(GI)」として山梨を指定し、2017年に生産基準の見直しがされました。現在ではある一定の生産基準を満たし、かつ官能評価を経たワイン以外は「山梨」と名乗れなくなっています。これにより山梨ワインの品質は年々向上し、世界的にも評価されるワインがたくさん生産されるようになりました。
今回は、特におすすめのワインをピックアップするとともに、ワインショップや通販でも買える山梨ワインを20本セレクトしました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
日本を代表するワイナリーが目白押し|山梨の主なワイン生産地
山梨は本州の内陸部にあり、東京都の約2倍の面積があります。ぶどうの栽培地は甲府盆地の北西部や八ヶ岳山麓にもありますが、多くは甲府盆地周辺に集中しています。甲府盆地は典型的な盆地気候なので、昼と夜、そして夏と冬の気温差が大きいのが特徴です。これら内陸部特有の気温特性はワイン用ぶどうの生育条件にとって非常に有利に働きます。今回は山梨の中で最も多くのワイナリーが点在する甲州市の「勝沼」を中心に、主な生産エリアを紹介していきます。都内からの観光客も多い山梨屈指の銘醸地「勝沼」
甲州市内にある勝沼は首都圏を中心に全国各地から多くの観光客がワイナリーツアーに訪れる人気のエリアです。町内だけでも33軒のワイナリーがあり、「勝沼醸造」「グレイスワイン 中央葡萄酒」「イケダワイナリー」「白百合醸造」「原茂ワイン」「くらむぼんワイン」といった伝統的なワイナリーが多くあります。ワイナリーめぐりには「やまなしワインタクシー」が便利
一つのワイナリーにしぼってじっくりと見学するのもいいですが、勝沼にある複数のワイナリーを効率よく回るには「やまなしワインタクシー」の利用がおすすめ。やまなしワインタクシーは勝沼地区と笛吹地区でそれぞれ運行しているので希望のワイナリーを回れるか事前に相談が必要です。駅から徒歩でいける甲州市勝沼ぶどうの丘
JR中央本線勝沼ぶどう郷駅から徒歩でもいける「甲州市勝沼ぶどうの丘」では、地下にワインカーヴがあり、約200銘柄の山梨ワインが試飲できます。ほかにもホテルや温泉といった施設も充実していて、お気に入りの一本を見つけたい人にはぜひおすすめしたい観光スポットです。冷涼な気候で高品質なぶどうが育つ「韮崎・北杜」
韮崎市と北杜市は、主に甲府と小淵沢をつなぐ中央自動車道沿いにワイナリーが点在しています。韮崎市は「ドメーヌ茅ヶ岳」「本坊酒造マルス穂坂ワイナリー」、北杜市は「ドメーヌ・ミエ・イケノ」などが有名です。特に北杜市の明野町は四方が南アルプス、茅ヶ岳、八ヶ岳、富士山に囲まれているため、雨雲が遮られて日照時間がほかの地域に比べて長く、勝沼でも有名な「グレイスワイナリー(中央葡萄酒)」が所有する農場があります。明野農場で育ったぶどう品種「甲州」で造った「キュヴェ三澤明野甲州 2015」は2019年の日独首脳会談の饗宴(きょうえん)の席でも提供されるほど評価が高いワインです。
そのほか、隣の甲斐市には「サントリー 登美の丘ワイナリー」や「シャトレーゼ ベルフォーレワイナリー」といった大型のワイナリーがあり、団体での訪問を検討されている人はこちらもおすすめです。
古くから果樹栽培が有名な地域「塩山・牧丘」
大菩薩峠へと続く甲州市塩山エリアと巨峰の名産地として有名な山梨市牧丘エリアにも多くのワイナリーがあります。この地域ではぶどうのほかにも柿や桃といった果樹栽培が盛んです。塩山エリアの「甲斐ワイナリー」や牧丘エリアの「三養醸造」といった古くからある伝統的なワイナリーのほか、「98 WINEs」「カンティーナ・ヒロ」「Kisvin Winery」といった新興ワイナリーも多くあり、今後が注目されている地域です。
歴史のある伝統的なワイナリーも多い「笛吹」
笛吹市はぶどうと桃の収穫量日本一を誇る地域で、石和温泉といった観光地としても有名です。一宮、石和、御坂を中心に、ワイナリーが点在しており、笛吹市内だけでも10以上のワイナリーがあります。国の登録有形文化財に指定されている石蔵をもつ「ルミエール」をはじめとして、「アルプスワイン」「本坊酒造 マルス山梨ワイナリー」「北野呂醸造」「笛吹ワイン」などがあります。