山梨の主要ぶどう品種は「甲州」と「マスカット・ベーリーA」

生産量は甲州だけでワイン用ぶどう品種全体の48%、マスカット・ベーリーAが27%。つまり、この2品種だけで75%を占めています。近年は生食用として人気のデラウェアも有名ですが、まだまだ甲州とマスカット・ベーリーAが山梨産ぶどうの二大巨頭というイメージがある人も多いでしょう。
注目度が高まりつつある「プティ・ヴェルド」
最近は山梨県内で栽培面積が徐々に増えているぶどう品種が「プティ・ヴェルド」です。プティ・ヴェルドは比較的温暖な地域でも糖度が上がりやすく、国内でのワインの評価も年々上がっています。プティ・ヴェルドはもともとスペインやフランスのボルドー、オーストラリアなどで盛んに栽培されているぶどう品種です。強いタンニンで力強い味わいを生み出す特徴があり、単一ではなく、ブレンド用の品種として需要が高いことで知られています。まだまだ栽培面積は少ないですが、今後山梨のプティ・ヴェルドにスポットが当たる日もそう遠くはないでしょう。注目の山梨ワインをソムリエがピックアップ

くらむぼん マスカット・ベーリーA
ぶどう品種:マスカット・ベーリーA原産地:山梨県甲州市
ワイナリー:くらむぼんワイン
容量:750ml
アルコール度数:12%
・飲み口:重○○○●○軽
・香り:強○●○○○弱
・酸味:強○○○●○弱
・渋み:強○○○●○弱
自然な味わいのワインを目指すくらむぼんワイン
くらむぼんワインは、日本ワイン発祥の地として知られる勝沼で1913年に創業した伝統的なワイナリーです。2007年から自社畑については、手間をかけながら病害を防ぎ、雑草を生やしたまま栽培をする自然に即した農法を実践しています。ワイン造りにおいても、ブドウの風味を最大限に活かすためにブドウの皮のまわりの天然酵母で発酵させ、無ろ過で瓶詰めをしています。ワイナリーの名前は、宮沢賢治の童話「やまなし」で蟹(かに)が話す言葉に由来し、人間と自然との共存や他人への思いやりを信条とする宮沢賢治に共感して名前がつけられました。オーナーの野沢氏の頭文字をブランド名にしたフラッグシップワイン「N」をはじめとして、親しみやすい甘口ワインシリーズ「KURAMBONBON」、スタンダードワインシリーズの「蔵(くら)」など、幅広いラインナップが毎年リリースされています。
今回紹介するのは社名がつけられた「KURAMBON」。白、ロゼ、赤とさまざまなシリーズがありますが、赤ワインのマスカット・ベーリーAをピックアップしました。
くらむぼんワイン マスカット・ベーリーAとは

ソムリエ吉川のテイスティングコメント
マスカット・ベーリーAらしいわたあめのようなキャンディ香がやさしく感じられ、渋みは穏やかなミディアムボディに仕上がっています。少し冷やしてからいただくとワイルドベリーやクランベリーのようなさわやかなベリー系の酸味が感じられます。また、温度が上がるにつれて控えめな渋みが少しずつ表れてくるので、温度変化による味わいの移り変わりを楽しむことができるワインです。抜栓した翌日も甘やかなアロマがしっかりと残っているので2日後以降も安心していただくことができます。長期熟成には向かないので、若いヴィンテージのうちに開栓して楽しむのがおすすめです。(エチケットはわたしの不備により汚れてしまいました…。)
くらむぼんワイン マスカット・ベーリーAとのペアリングは?
タンニンがひかえめで飲み心地は軽やかなので、くらむぼんワインのマスカット・ベーリーAとの組み合わせにおすすめしたいのはずばり「和食」。しょう油とみりんをベースにした煮込みや煮っころがしのような味付けの料理にやさしく寄り添ってくれるワインです。肉料理では照り焼きチキン、豚のしょうが焼き、鶏つくねハンバーグなどと相性が良いです。牛肉やジビエといった赤身の肉にはもう少しタンニンのしっかりしたワインを合わせたいですが、チキンステーキやポークソテーとはよく合います。
また、赤ワインと合わせるのが難しいといわれている魚料理でも、マスカット・ベーリーAなら上手にペアリングできます。まぐろの赤身の刺し身やうなぎのかば焼き、または白身魚を使った西京焼きとの相性もいいです。
くらむぼんワイン マスカット・ベーリーA
・ぶどう品種:マスカット・ベーリーA
・内容量:750ml
・タイプ:赤ワイン
・アルコール度数:12%
・内容量:750ml
・タイプ:赤ワイン
・アルコール度数:12%
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