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日本国内では山梨県に次いでワインの生産量が多い長野県。長野産のワインは高品質であることから近年世界中から注目を浴びています。今回は長野の有名なワインバレーや、ナイアガラ、メルローなど盛んに栽培されているぶどう品種の特徴、通販やワインショップで買えるおすすめの長野ワインをソムリエが紹介。ペアリングしたい料理やお土産におすすめしたい希少なワインなども合わせて解説するのでぜひ参考にしてください。
長野県はワインの生産量、ワイナリー数ともに全国2位!

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長野県はワインの生産量、ワイナリー数ともに山梨県に次いで国内第2位を誇ります。年間降水量が少なく、昼夜と夏冬の気温差が大きいため、ぶどうの生育条件にマッチしているのが長野の大きな特徴。山梨のワイナリー数は現在ほぼ頭打ちとなっていますが、長野は近年急速にワイナリーの数が増えています。
また、長野は山梨や北海道と比べ赤ワイン用ぶどう品種の割合が高いので、赤ワイン用のぶどうの栽培に適した土壌や気候条件がそろっているといえるでしょう。
長野県内で有名な産地、信州ワインバレーとは

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長野県は東京都の約6.2倍の面積があり、海に面していない内陸県です。また、現在長野県内で日本ワインを造るワイナリー数は30軒を超え、さらに毎年のように新しいワイナリーが誕生しています。さらに2013年には県が発表した「信州ワインバレー構想」の一環で、ワイン生産者の育成が積極的に行われていることもあり、日本のワイン造りにおいて最も活気のある産地として注目を集めています。
長野の活発なワイン産地は「千曲川ワインバレー」「日本アルプスワインバレー」「桔梗ヶ原ワインバレー」「天竜川ワインバレー」と大きく分けて4つの地区があります。
千曲川ワインバレー

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長野県を流れる千曲川は新潟では信濃川と呼ばれています。この千曲川の上流域にある上田盆地と佐久盆地周辺でワイナリーの設立が活発化。下流域の長野盆地と高山村、小布施町、飯綱町が有名です。サンクゼールや楠わいなりー、小布施ワイナリー、ファンキーシャトーなどもよく知られています。特に小布施ワイナリーは化学的に合成された農薬や肥料を一切使わない、自然環境に配慮した有機栽培を徹底しており、クオリティも非常に高いことからワイン愛好家から熱烈な支持を受けています。
日本アルプスワインバレー

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松本盆地から塩尻市を除いたエリアを指し、安曇野市や山形村が有名。松本市山辺地区は長野でぶどう栽培が始まった土地だといわれています。安曇野ワイナリー、大池ワイナリー、
山辺ワイナリーなどがあります。ナイアガラやデラウェア、コンコード、巨峰といった生食用のぶどう栽培が盛んな地域です。
桔梗ヶ原ワインバレー
長野におけるワイン造り発祥の地が塩尻市桔梗ヶ原地区です。日照量が多く、栽培条件に恵まれている土地ゆえに、塩尻で作られるぶどうは高品質。大企業も参入しており、今後も注目が高まりそうです。井筒ワイン、林農園、kidoワイナリーのほか、
サントリー塩尻ワイナリーもあります。老舗ワイナリーが多いですが、近年急速に新興ワイナリーも増えているエリアです。
天竜川ワインバレー
伊那市、宮田村、松川町にかかる地域です。中央アルプスと南アルプスに囲まれた盆地で、水はけが良いのが特徴。ぶどうだけでなくさまざまな果物の名産地として古くから知られています。他の地域とは違い、山ぶどうやヤマソーヴィニヨンといった品種が栽培されています。また、近年ではワイン造りに加えてりんごを原料としたシードルの醸造に力を入れている地域でもあります。本坊酒造 マルス信州蒸留所が有名です。
長野で栽培されている主なぶどう品種

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長野県内で栽培されているぶどうは赤白ともにバリエーションがあります。もともとはコンコードやデラウェア、ナイアガラ、巨峰といった生食用ぶどうの生産が盛んでしたが、近年では欧中東系ぶどう品種の栽培が盛んで、メルロー、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの生産量は国内でもトップです。
今回は長野県内でも生産量トップ3のぶどう品種を白ワイン用、赤ワイン用と分けて紹介します。