今回は岩手ならではのぶどう品種やおすすめのワインをソムリエが5本にしぼってセレクト!岩手では定番のくずまきワイン、「月のセレナーデ」やリースリング・リオンで有名なエーデルワイン、自園自醸ワイン紫波のワインも紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
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岩手ワインは全国5位の生産量!
岩手では1960年代にワイナリーが設立され、ワイン造りが始まりました。本格的に岩手でワイン産業が活発化し始めたのは2011年に起きた東日本大震災以降のことです。震災以降、着々とワイナリーが増え始め、現在は11軒のワイナリーがありますが、新たにワイナリー設立に向けてぶどう栽培に着手する動きもみられることから、今後もワイナリーの数は増えていくと予想されています。また、岩手は日本の国土において北海道についで全国2位と広大な面積を持ち、降雨量が少なく冷涼な気候がワイン造りに適しています。岩手にあるワイナリーの約半数が花巻市に集中しています。しかしここ数年で遠野市や西磐井郡平泉町にもワイナリーが設立されたことにより、花巻市以外の地域もワイン用のぶどう栽培地として近年注目を集めています。
岩手で栽培されるぶどう品種
岩手はもともとヤマブドウの交配品種を数多く栽培していましたが、現在では赤ワイン用ぶどう品種の「キャンベル・アーリー」、白ワイン用ぶどう品種の「リースリング・リオン」「ナイアガラ」が最も多く作られています。本来生食用として栽培されていたキャンベル・アーリーは北海道、宮崎とともに三大産地の一つです。そして、なかでも岩手ワインを語るうえで外せないのは日本で開発された白ぶどう品種「リースリング・リオン」です。
岩手ワインで注目の品種「リースリング・リオン」とは?
リースリング・リオンはドイツが原産のアロマティックな品種「リースリング」と日本の地ぶどう「甲州三尺」をかけ合わせた白ぶどうです。サントリー(現 サントリーホールディングス株式会社)が開発し、1975年に品種登録されました。リースリングは世界中で栽培されている人気のぶどうですが、成熟するのが遅いのと収穫量が不安定なため、限られた生産地でないと上手に育たないという点で栽培が難しい品種としても有名です。
そこで日本の地ぶどうである甲州三尺と掛け合わせることによって成熟期を早くし、粒を大きくして安定した収穫量を保つことに成功しました。現在ではリースリング・リオンの生産量は日本国内の95%以上を岩手が占めています。リースリングは生産地によっては甘口にも辛口にもなりますが、交配させたリースリング・リオンの味わいはフレッシュでスッキリとした辛口に仕上がるのが特徴で、岩手を代表するぶどう品種ともいえます。