目次
益子焼ってどんな特徴があるの?
大窯業地となった益子町
栃木県南部、益子町で作られている益子焼は、江戸時代末期の1853年、笠間焼で修行した大塚啓三郎によって開かれました。その後、明治時代になると、首都圏に近いという立地を活かして、甕や壺、すり鉢などの日用雑器が大量に作られました。現在では、個人作家から大規模な窯元まで多くの人が作陶し続ける大窯業地となり、陶芸作家や器の好きな人たちで賑わいを見せています。さまざまなデザインや釉薬が魅力の益子焼
かつての益子焼は、形も装飾もとても簡素なものでした。その伝統を活かしつつ、全国の窯場の技術や装飾を取り入れ、今では、伝統的な釉薬を使ったさまざまなデザインのうつわを見つけることができます。釉薬は、優しい雰囲気を醸し出す「白糠釉(ぬかじろゆう)」や「並白釉」、上品な「青釉」、鉄分を含むマットな「黒釉」、柿の色を想起させる茶褐色の「柿釉」の5色があります。益子に訪れた際はぜひ、益子焼を代表するこの5色の釉薬を使ったうつわを見つけてみてくださいね!日用品に美的価値を!民藝運動の歴史

民藝・民藝運動とは
「民藝」とは、「民衆的工藝」の略で、思想家・美学者の柳宗悦らが1925年に作った言葉です。当時の工芸界は華美な装飾の観賞用作品が主流でした。そんな中、柳は、それまで「下手物(げてもの)」と言われてきた大衆的な日用品に美的価値を見いだし「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさがあると唱えました。これが「民藝運動」と呼ばれ、21世紀の現在でも活動が続けられています。彼なしで益子焼は語れない!陶芸家「濱田庄司」の存在
民藝運動を推進していた陶芸家の一人、濱田庄司が益子に定住したことがきっかけで、益子は一大産地となりました。濱田は、京都やイギリスなどの各地で養ったセンスや技術を、益子の風土と材料に落とし込み、新しい民藝品の制作に積極的に取り組みました。その後、第1回重要無形文化財技術保持者(人間国宝)に認定され、今でも益子焼の父と呼ばれる存在となっています。通販でも買える!おすすめ益子焼12選!
人気窯元「つかもと」など、定番3選!
つかもとは、幕末に創業した益子焼最大の窯元です。現在では、窯の他にギャラリーや美術館、飲食店などを兼ね備えた益子焼を丸ごと楽しめる施設となっています。また、つかもとは人気駅弁「峠の釜めし」の容器製造も行っています。他にも、手作りにこだわる「わかさま陶芸」や益子の若者の陶芸指導を導いた合田好道さんの意思を継いだ「和田窯」があります。1.代表的な窯元と言えば、つかもとの器! kamacco
ふっくらとご飯を炊いてくれる土釜です。1合炊きようなので、小さくてかわいいサイズ感となっています。しかも内側のフタはちょうど1合のお米をはかることが出来るという優れものです。また炊飯以外にも、ゆで卵、蒸し野菜、チーズフォンデュ、鍋料理が楽しめます。
つかもと「kamacco(かまっこ)」
・サイズ :直径(約)14.5cm x 高さ(約)12.5cm
・ 重さ:(約)770g
・ 重さ:(約)770g
計量カップも火加減もいらないのは、初めて直火で炊く人にはハードルが高くないかも。ふっくらと艶よく炊けました。釜めしのレシピが同封してたらもっとよかったのですが。サイズ感とデザインは大変気に入ってます。
出典: Amazon
2.わかさま陶芸 スープカップ
手仕事にこだわりを持っている、わかさま陶芸。カップの縦方向に入ったしのぎ(削り)もすべて手仕事で行われています。取っ手が上についているのもおしゃれです!また、熱いスープを飲むカップなので、飲み口がやさしい口当たりになっているのもうれしいポイントです。3.和田窯 和食にもスイーツにもぴったり!
益子焼の昔ながらの伝統釉「糠白釉」「黒釉」「並白釉」の3種類の釉薬のベースに、丸紋が描かれている鉢。シンプルなデザインの鉢なので、あんみつなどの和スイーツや、和え物などの小鉢としてなど、いろいろな場面で活躍してくれる器です。汎用性が高いので、どんなものをのせようか考える時間が楽しいですね!大人気!よしざわ窯のうつわ
ネット通販でも大人気のため、商品の売り切れが続く人気店・よしざわ窯。先日行った陶器市では、会場に入るための入場整理券が発行されていました!それでは、「器は使ってこそ生きるもの」と考えるよしざわ窯のアイテムをご紹介します。4.よしざわ窯 西洋正方鉢
フランスの蚤の市やアンティークをイメージして作られた鉢。古い西洋食器の形を模して作られました。一口サイズのクッキーやプリン、夏はシャーベットを入れてもぴったり!ピクルスを盛っても良さそうですね。どんな料理でも合いそうな食器は重宝します。5.よしざわ窯 あめ色 小枝小鉢
小枝の形をした小鉢。食卓を森の雰囲気にしてくれそうですね。この小鉢は、パーティ時にディップソースを入れたり、誰でもつまんで食べられるように、金平糖や一口チョコレート、飴などを入れてもかわいく使えそうですね!楽しいティータイムをかわいいカップで過ごしましょう
柔らかい、優しい雰囲気を持つ益子焼。そんな益子焼のカップを使ったティータイムはとてもほっこりとした時間になりそうです。6.つかもと コーヒーカップ
益子の伝統釉を使った大人かわいいカップ&ソーサーです。 適度な厚みと持ちやすい取っ手。素地の色と釉薬の色の具合が雰囲気のある仕上がりとなっています。色は、飴釉、呉須釉、糠白釉、益子青磁釉、皮鯨釉、並白釉の6色。同じ色で揃えても、全色揃えてもティータイムが華やかになりますよ。
つかもと窯 「コーヒーカップ&ソーサー」
・サイズ: ソーサー 径15.6cm × 高さ2.6cm/カップ 口径8.5cm × 高さ6.4cm
・容量:180ml(満水時)/175g
・素材:陶器
・原産国:日本製 栃木県益子
・容量:180ml(満水時)/175g
・素材:陶器
・原産国:日本製 栃木県益子
7.リサ・ラーソンの益子焼にも注目!
北欧スウェーデンの陶芸家リサ・ラーソンのジャパンシリーズの湯呑です。1950年代、リサ・ラーソンは濱田庄司氏と出会い、日本の陶芸について学んだことをきっかけに、今回のシリーズが生まれました。少しかすれてアンティークのような雰囲気が食卓にぴったりです!8.温かみのある色合いと大きさのマグカップ
手仕事にこだわっている「わかさま陶芸」のマグカップです。カップ本体と取っ手の丸みが優しい雰囲気を作り出しています。蕾をモチーフとしたカップのフォルムはコーヒーの香りをより深く広げます。カップ8分目で200ccの飲み物が入るので、大きすぎないマグカップをお探しの方におすすめしたい一品です。益子焼のおしゃれなうつわをご紹介!
日常使いの食器として発展してきた益子焼ですが、「お客様が来られた時にぜひ使ってみたい!」と思うようなおしゃれな食器もたくさんあります!9.わかさま陶芸 食卓をスタイリッシュに演出するターコイズブルー
手作りならではの温もりのあるプレートです。 プレート自体はターコイズブルーと強い色ですが、 オムレツなどカラフル料理を入れる器としてぴったりです! また、4つのリーフ模様がナチュラルなおしゃれ感を演出してくれますよ。10.道祖土 和田窯 陶庫 「THE 飯茶碗 益子」
この飯茶碗は、最も人の手に沿いやすく、持ちやすい形を追求した飯茶碗です。 標準的な大きさの日本人の両手で持ったときに、しっくりと手に馴染む大きさとなっています。こちらは益子の糠白釉で作られたものですが、清水、有田、信楽、瀬戸でも同じ規格の飯茶碗を作っています。それぞれの産地ごとに使い比べてみるのも楽しそうですね!リビングを彩る益子焼
リビングを彩るのは、食器だけではありません。キッチンや食卓周り、ティーテーブルにも益子焼のアイテムが空間も過ごす時間もすてきなものにしてくれます。11.ごはんの時間を知らせるかわいい食パン時計
本物の食パンより少し細身の大きさの食パン時計です。会場でアイテムを見てきましたが、とってもかわいい時計でたした!コンパクトなサイズなので、キッチンに置いても、食卓の壁にかけてもリビングが楽しくなりそうですね!
gramme. (グラム)「食パン時計」
・サイズ: [陶器部分] W9(上部10)×H12×D0.5cm [時計針部分] 厚さ1cm [ムーブメント部分] 厚さ1.5cm
・作家 :gramme.(グラム)
・産地 :益子
・作家 :gramme.(グラム)
・産地 :益子
12.野の花に似合う花器が食卓を彩る
一輪の花があるだけでも自然を感じ、リビングは華やいだ雰囲気になります。こちらは素朴な一輪挿しなので、公園や原っぱで咲いている、ハルジオンやオオイヌノフグリといった植物がとても似合いそうですね!行ってきました!「第102回益子秋の陶器市」

町中に陶器が並ぶ、にぎやかな4日間
春と秋の年に2回開催される益子焼の陶器市。この「第102回益子秋の陶器市」は11月2日(金)〜5日(月)の4日間開催され、私は3日目の日曜日に行ってきました!到着早々、混雑する前にと早めのランチタイム。ランチは「ヒジノワ」さんでいただきました。メインの販売会場の方に行くと、飲食店の数が限られるので、ランチと休憩するカフェなどは事前に探しておいた方が得策です。

一方、脇道を行くと作家さんのテントブースが並び、個性的な物から伝統的な益子焼まで、さまざまなアイテムが店頭を彩っていました。
人気作家さんのうつわは、数に限りがあり、すぐに売り切れてしまうので、興味がある方は、早めに作家さん出店エリアに行くことおすすめします!
バス直行便もある!東京からのアクセス
開催期間中限定で、秋葉原から益子まで直行高速バス「関東やきものライナー」が走ります。たくさん食器を買うと、どうしても荷物が重くなってしまうので、ゆっくり座って帰れるのはとてもありがたいですね。また、宇都宮駅からでも益子までの直行バスも出ていました。夕方は18時台まであるのでゆっくり会場を見て回りたい方におすすめです。
陶器市での戦利品をご紹介!


細長いお皿は、焼魚・刺身用です。そして、ノスタルジーな雰囲気を醸し出す絵の具の箸置きと、木のスプーンも一緒に買いました。
陶器市で見つけた、すてきな作家さん
陶器市を巡る前に、まずは好きな作家さんの陶器市出店について調べましょう!情報は益子町観光協会の陶器市のページからでも探すことができます!どの場所で出店しているかを確認し、早めにテントに行ってみてくださいね。藤原里子さん

前述でもご紹介したこの絵の具の箸置きは、今回の一番のお気に入りです!この箸置きを作られた作家・藤原里子さんは、農業系の大学を卒業後、琉球舞踊と盆栽を修行された後に陶芸の道に進んだという異色の経歴をお持ちの方です。主に、とても愛らしい人形やシーサー、鉢を制作されています。
grammeさん

豊田雅代さん
今回の陶器市で、私が買い損なってしまったのが作家・豊田雅代さんのうつわです。「イッチン」というスポイトなどに入れた、水分多めの泥で模様を描く技法を使って制作される食器を、実際に拝見したかった。写真で見る限り、とても繊細な模様を描きながらも暖かな雰囲気がある食器でした。次回の陶器市ではぜひお目にかかりたいと思います!豊田雅代さんのInstagramはこちら
陶芸のまち・益子町の魅力
陶器市の期間は人であふれている益子町ですが、陶器市の期間を外せば、ゆっくりと町を巡ることがでできます。街の中には、益子焼の常設展で益子焼のことが詳しくわかる陶芸美術館、人間国宝・濱田庄司の作品や収蔵品の展示を行う益子参考館があり、益子再興の歴史に触れることができます。もちろん、益子焼共販センターなどの販売店もたくさんあるので、買い物には困りませんよ!お店は、駅からも徒歩圏内の城内坂通りにたくさんあるので、ぜひ行ってみてくださいね。
陶芸体験ができる窯元

益子町には、陶芸体験できる窯元もあります。手びねりや絵付け、ロクロなど、さまざまなコースがあるので、やってみたい体験を見つけてみてくださいね!
小峰窯
陶芸体験、手びねり体験、絵付け体験、ロクロ体験、パステル絵付け体験ができます。講師の方が丁寧に教えてくださるので、とっても楽しく取り組むことができます。詳細はこちら
つかもと
手びねり、絵付け、ロクロの体験ができます。敷地内には飲食店やギャラリーも併設されているので、益子焼を堪能できます。詳細はこちら
よこやま
手びねり、絵付け、ロクロの体験ができます。よこやまでは、カップルやファミリー、女性グループ向けのお得なプランも用意されています。また、子ども向けの簡単な体験として、オカリナへの絵付けやルームプレート作りなどができます。小さな子どもも一緒に楽しめるのはうれしいポイントですね!詳細はこちら
益子焼の持つ優しい雰囲気で日常をちょっと華やかに

紹介されたアイテム

つかもと「kamacco(かまっこ)」

わかさま陶芸「 kinariスープカップ…

和田窯 「三彩椀」
よしざわ窯「 西洋正方鉢 」

よしざわ窯 「あめ色 小枝小鉢」

つかもと窯 「コーヒーカップ&ソーサー」

リサ・ラーソン 湯呑み

わかさま陶芸 「Kinari カプチーノ…

わかさま陶芸 「シャビーターコイズ オー…

道祖土 和田窯「THE 飯茶碗」

gramme. (グラム)「食パン時計」

わかさま陶芸「一輪差し」